【WAREHOUSE】 Lot. DD-1003SXX大戦モデルLIMITEDの特徴を見てみる
現在穿き込んでいるジーンズがなかなか穿き込めていないため、欲しい欲しいと思いながらもずっと買うのを見送っていたこのLot DD-1003SXX LIMITED。しかしもうすぐ売り切れてしまいそうな予感がしたので思わずポチってしまいました。
ウエアハウスのダックディガーシリーズには大戦モデルをベースにした1003と付くデニムは、Lot DD-1003XX(1945MODEL)、Lot DD-1003SXX(1943MODEL)、そして僕が今回購入したLot1003SXX LIMITED(1943 MODEL) と3つありますが、1945モデルは大戦末期から終戦にかけて実在したXXを忠実に再現していて、所謂「簡素化」が解除されつつあった当時の珍しいモデルです。
1943モデルはS(simplified=簡素化)と付く通りガチガチの大戦モデルです。1943モデルLTDと通常版1943モデルの違いはバックポケットにペンキステッチが有るか無いかの違いだけですね。値段もそこまで変わりません。
それでは実際に見ていきましょう!
経年変化どころかまだ足すら通していない姿がこちら
まずは前から。
糊落としの儀をやりたくてウエアハウスにノンウォッシュが有るか確認してみたところ「ない」とのことだったので仕方なくワンウォッシュを購入しました。おそらく今回ノンウォッシュは販売してないんじゃないかと思います。
生地はメンフィスコットン単一綿で14.5oz、触った感じはザラつきが凄かったですね。穿き込むのがワクワクする感じの触り心地です。
シルエットですが、よくある大戦モデルのような股上が深くてズドンと太い、という感じではなく股上もそこまで深くなくて裾幅も32インチで21cmと以外にも細めなんですよね。これならスニーカーとも合いますね。
そしてバックスタイル。
「歪」という言葉がぴったりな左右非対称のバックポケット。第二次世界大戦当時のアメリカの縫製工場の状況がよく伝わりますね。
ちなみに革パッチ右に見える白いものはウエアハウスのタグがぶら下がっている紐です。タグはバックポケットに隠しています。
そして腰周り前後のアップ。
新品というより70年前のヴィンテージジーンズがほぼデッドストックに近い状態で発見されたかのような風合いです。コイツがノンウォッシュの状態で、自分で糊を落として乾燥させていたら、また違った風合いになってたでしょうね。
大戦モデルとしてのディテール
1942年頃から1945年頃までに作られたXXを「大戦モデル」と言います。その代表でありオリジナルであるのがS501xxですね。
そしてS501XXのディテールを踏襲しているレプリカジーンズを一般的に「大戦モデル」と呼びます。しかし第二次世界大戦当時、様々な仕様のXXが作られていて、ウエアハウスはその様々な仕様のマニアックなXXを忠実に再現しています。この1943モデルもそのうちの一つです。
なので一般的な大戦モデルの代表でもあるS501XXと、この1943モデルを比較しながらディテールを見ていきたいと思います。
まずはバックポケット。
第二次世界大戦当時アメリカ国内にも物資統制が敷かれリーバイスもその余波を受けました。リーバイスの象徴であったアーキュエイトステッチも制限され、苦肉の策としてペンキでアーキュエイトステッチを施したとされるのが、大戦モデルの特徴である「ペンキステッチ」です。1943モデルでも忠実に再現されていますね。
そしてこの雑な縫製。当時ベテラン縫製職人も戦場に駆り出されることになり縫製工場には素人同然の職人が縫製を担当していたので、この縫製がかなり雑なのも大戦モデルの特徴です。この雑な縫製もウエアハウスは忠実に再現しています。
赤タブのアップ。
赤タブは当時のXXの特徴である片面タブです。しかしこのLot-DDシリーズはタブの文字をぼかすように縫い合わせてありますね。ちなみに縫い合わせてあるステッチを解くとウエアハウスの赤タブでおなじみの「GENUS」と出てきます。
隠しリベット部分の縫製は良い意味で雑です。こういう部分も忠実に再現されています。
トップボタンはワンスター月桂樹のドーナツボタン。これもまた大戦モデルの特徴ですね。物資統制が敷かれ軍衣料と同じものを仕様することによって生産効率を上げることを目的としたものだと言われています。
フロントボタンは無地のドーナツボタンではなく鉄製のウエアハウスのオリジナルボタンですね。穿き込んで錆が出てくるとヴィンテージのような風合いになります。
大戦モデルの特徴であるODGのヘリンボーンツイルのスレキ。大戦当時のスレキには様々な生地が使われていて、代表的なのがこのODGのヘリンボーン生地のスレキですが白色のヘリンボーン生地やフランネル生地なんかもあります。
ちなみにウエアハウス15周年記念のLot1003XXはフランネル生地が使われていました。
ウエストバンドのステッチは上がシングルステッチで下がチェーンステッチになってますね。
エイジング加工された革パッチ。当時のXXの革パッチは縮んでひび割れ硬化するという特徴があります。乾燥機にかけると破損してしまい革パッチが取れてしまうみたいです。かなりリアルに再現された革パッチですね。
コインポケットの左右にリベットが打ち込まれていないのも大戦モデルの特徴。そしてこの歪な形状のコインポケットと縫製。
フロントポケットのリベットには何も刻印されていないのも大戦モデルの特徴のようです。ちなみにコインポケットの裏側はセルビッジ付きでした。
わかりにくいですが股の内側部分ですね。ロック処理というものが施されていないらしくて生地のほつれが凄く出ています。所謂切りっぱなしと言われるもので、これも大戦当時のヴィンテージにある仕様みたいで忠実に再現されています。
ちょっと一息
ここまで大戦モデルとしてのディテールを見てきましたが、やっぱりかなりガチガチの大戦モデルでしたね。S501XXと比較してもかなり近いものがあります。
しかしこの1943モデルは更に当時のマニアックな部分まで忠実に再現していて、とてもクオリティーが高いのがわかります。あのペンキアーキュエイトステッチぽいものもしっかり再現されています。もう少しアレンジしてあるのかと思いましたがド直球でしたね。
そして最初の方にも述べましたが、やはりこの1943モデルの特徴として腰周りにゆとりを残しながらも少しテーパードの利いたすっきりめの現代的なシルエットですね。実はこのようなシルエットのXXも実際に発見されているみたいです。
その他のディテール
もう少し詳しく。
ベルトループはセンターセットですが若干右にズレて付けられています。このズレたベルトループやほつれなど当時の技術の「未熟さ」までも忠実に再現されています。
そして裾部分。チェーンステッチが施されています。穿き込むとどのようなパッカリングになるのか楽しみです。
ちなみに僕の持っているリーバイス98年製55501XXと、ウエアハウスLot700S LTDと、Lee×ウエアハウス1940’sカウボーイパンツの3本は近所のジーンズショップで裾上げもチェーンステッチもやってもらっていましたが、その後はすべてウエアハウスでしてもらっています。以上どうでもいい情報でした。
1943LTDを購入するとステンシル入りODGヘリンボーンツイルのオリジナルバラックバッグが付いてきます。ミリタリーを強く意識した仕様になっています。左下にはビリケンさんがいますね。
Lot-DD(ダックディガー)シリーズのすべてにこのバラックバッグは付いてきますが、生地は白いコットンのバラックバッグになります。
このバラックバッグは経年変化も楽しめますし、何にでも使えそうですね。
まとめ
このLot-DD(ダックディガー)シリーズはウエアハウスもかなり気合を入れて作り込んでいます。なんかもう一切の妥協はない、という感じですね。
1943モデルは大戦モデルとしてのディテールは、パッと気がつくところは王道ですが、しかし細部はかなりマニアックな作りです。それも当時のヴィンテージを忠実に再現しているのでウエアハウスのヴィンテージに対する執念たるや凄まじいものがありますね。
僕はまだ穿き込み途中のジーンズがあるんですが、当分コイツを穿き込むことになりそうです。いや、穿き込みたいんです。そしてどのような色落ちになるか今から楽しみです。
経年変化が出てきたらまたブログで報告します!最後まで読んでいただきありがとうございました!